こんにちは、通販 眺めのいい生活サイト WEBマスター:世空です。
今日も快晴で、午前中にお墓参りと掃除に行ってきました。
今近所の山のてっぺんに墓地があるのですが、いまの歳になってみると山が幾分小さく見えます。子供もころはここらへんも、駆け巡って遊んだものでした。
実家の墓は、父がこだわって海底の石でつくったもので、よくある御影石のようにつやはなく、マットな質感で、自然に溶け込む感じなのです。
今設置以来の苔がつきっぱなしで、線香の灰も石のすき間に積もっています。
今実家に行くずっと前から、墓を丁寧に掃除したいと思っていたので、さっそく意気込んで取り掛かりました。
今ブラシで落とせる苔は落として、丁寧にきれいな雑巾で水拭きしました。墓の回りにも雑草が生い茂っていたので、引き抜き土をならしました。
今2時間近くかかって、掃除したでしょうか?後から来た父も喜んでくれました。花と線香を供え、拝んで、すがすがしい気分で墓地を後にしました。
墓から実家へ歩いて戻る途中、真上から太陽の陽射しが降り注ぎ、まるで祝福を受けているようでした。信じられないほど、美しい景色の中で、わたしはこの世の天国にいました。毎日、見慣れている父には、きっとわからないでしょうけど、しかしこの世界に父はしっかりと同化し、毎日を生活しています。きっといつの間にか、自分が異物になってしまったのです・・・・。
今こうして予定していた、旅の全スケジュールを終えました。
昔見慣れた風景が、この歳になって、こんなに美しく輝くなんて・・・。
今決してノスタルジーだけでないこの感情は、わたしの中の底に埋もれていた、何かを目覚めさせたようです。
今いつもは離れていても、こうして恵みを与えてくれる・・・、それが田舎なのですね。
最後のおまけに、フライトまでまだ時間がとれるので、地元の観光名所になって秋芳洞という鍾乳洞に行ってみました。ここも子供の時依頼です。最後に来たときは、親戚の子供と一緒に、洞内を駆けまわったことを憶えています。
今ひなびた観光客用の商店街を通った先に、鍾乳洞の入り口がぽっかりと涼しげに口を開けています。
今洞内はひんやりと涼しく、何億年も変わらず数々の鍾乳石が佇んでいたのかと思うと、ここに人生のさまざまなにぎやかしい営みを持ち込んでいる人との、まったく別の次元の存在を感じるのでした。
不思議な形のお皿が並んだ「百枚皿」と呼ばれるところに来ると、ここはわたしが少年時代には「千枚皿」と呼ばれていたことを思い出しました。
実際、皿のような部分が1000枚もなく、大げさだという抗議があっての改名だったように思います。
しかしその異様で人の意見などどうでもいい存在感を持つ、この「百枚皿」は、「千枚」以上の存在感を放っています。
そして圧巻なのは、この秋芳洞の最大の名所である「黄金柱」です。想像もつかない年月を重ね、これだけの鍾乳石の柱になったんですね。
自然の成り立ちにより存在しているので、13mという高さで巨大ではあるのですが、妙な威圧感はなく人の価値観などどうでもよい次元であくまで自然でした。
洞内は、700m程度のコースで、そのあと人工のトンネルを抜けて、逆側の方へ抜けました。
すがすがしい五月晴れの国定公園 秋吉台の世界がそこにありました。
さらに時間が取れそうなので、秋吉台の展望台へ行ってみることに。
石灰岩が至る所に突き出ていて、遠くから眺めると、草原の中で羊が草を食んでいるように見えるのが、カルスト台地といわれるところの特徴です。
この展望台は天皇もお見えになったところということでした。子供のころ、父の仕事で車に同乗し、しょっちゅうきていたところですが、天気が最高だったこともあり、眺めはいつまで見ても飽きないものでした。
父は地元にいながら、この展望台は初めてのようでした。
しばし無言で物思いにふけってしまいました。天国のパノラマが、生まれたところにあることを、いまになって気づくとは・・・・。
いよいよ出発する時間になり、父まで予定の新山口駅まで、送ってもらい別れを告げました。
ダイヤを見てみると、なんと調べていた時刻がありません(汗)。ある時刻を見ると、宇部空港の予定のフライトまで、けっこうぎりぎりです(汗×2)。
タクシーの運転手さんに、空港までの所要時間と料金の目安を聞くと、約20分で6000円ぐらいということでした。うーん、在来線なら、二人で800円なのに・・・。
どうしようか迷っているとバスのロータリーが見えたので、バスを探そうとうろうろしていると、ちょうど宇部空港行きのバスが発車するところでした。
しかも次のダイヤは1時間後です。ひゅ〜。。。。。
なんとか余裕をもって、宇部空港に着き、荷物の受付を済まして、空港内のレストランで食事しました。窓際に座っていたので、夕日が美しく、旅の最後を飾るようで感動しました。
そして無事、予定の時刻のフライトに搭乗し、羽田へ向かったのでした。
途中、一度乱気流に入って、機体がスッと下がり、ジェットコースターのような気分を味わいました。あと20分ぐらいで羽田に着くというときになって、気圧のせいで右耳が痛くなり、もう激痛までになりました。行きは窓際に座らなかったので、大丈夫だったのかもしれません。ともかく我慢するしか、ありませんでした。
到着時間が近くなってくると、窓の下に関東のきらめく夜景が広がり、その巨大なクリスマスのデコレーションのような眺めに感動しました。
なにげない民家や小さな事務所の明かり、巨大なビルの照明を、上空から一つの眺めとして見ると、こんなに壮大なものになるのですね。
なにもかも初めてのことで、もう感動しっぱなしでした。アナウンスで、そのときに電子機器や荷持つは片付けて、所定の場所に置くように指示があったので、その景色をデジカメで撮れなかったのは、とても残念でした。
機体が着陸のため、下降に入るとぶるぶるガタガタと揺れました。これだけの振動を毎回のフライトで受けながらも、接合部が外れることがないんだなぁと、妙な感心をしてしまいました。10年以上、飛ぶわけでしょ?メンテナンスをしているとはいえ、すごい構造体なんだなと思いません?(わたしだけか・・・)
無事、着陸して、旅気分も覚めやらぬ中、いつもの慣れた在来線で、わが家へ。
夢の世界から、現実世界へと戻ってきたようでした。あらゆる恵みに感謝の気持ちでいっぱいです。
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